2026年9月27日 ・ 確定申告

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令和9年分から、青色申告を紙で出すと控除は10万円になる

青色申告特別控除は、複式簿記で記帳して期限内に申告すれば55万円、さらにe-Taxで出せば65万円、という仕組みでした。令和8年度税制改正で、この55万円の区分がなくなります。令和9年分(2028年2〜3月に申告する分)からは、複式簿記で記帳していても、紙で申告すると10万円です。代わりに、上の段として75万円が新しくできました。

改正の前と後

要件令和8年分まで令和9年分から
簡易簿記など10万円10万円(前々年の収入が1,000万円超ならなし)
複式簿記+期限内申告(紙)55万円10万円
複式簿記+期限内にe-Taxで申告65万円65万円
複式簿記+優良な電子帳簿で保存65万円e-Taxとあわせて75万円

令和8年分(2027年に申告する分)は、今までどおりの区分です。変わるのはその次の年分からです。

65万円の条件は「期限内にe-Taxで出すこと」

改正後の租税特別措置法25条の2第4項は、複式簿記(一切の取引を詳細に記録している場合として財務省令で定めるもの)で記帳している青色申告者について、65万円の控除を定めています。そのうえで第7項が、この控除は確定申告書の提出期限までに、確定申告書と貸借対照表・損益計算書などの情報を電子情報処理組織(e-Tax)で送信した場合に限り適用する、としています。

紙で出した場合、あるいは期限を過ぎてから出した場合は、65万円の控除は受けられず、第1項の10万円の控除に戻ります。今までの55万円にあたる受け皿はありません。

控除が55万円から10万円に減ると、課税される所得が45万円増えます。所得税率が20%の方なら、所得税だけで9万円、住民税(10%)を含めると年13万5,000円ほど負担が増える計算です(復興特別所得税や、国民健康保険料などへの影響は含めていません)。

75万円の条件は「帳簿を電子で、決められた方法で保存すること」

改正後の第5項は、65万円の要件を満たす方が、仕訳帳と総勘定元帳を電子帳簿保存法の定めに従って電磁的記録で保存していて、次のどちらかに当たるときは、控除額を75万円にできるとしています。

  1. その帳簿の保存が、電子帳簿保存法8条4項の財務省令で定める要件を満たしている場合(いわゆる優良な電子帳簿。訂正・削除の履歴が残ること、帳簿間の相互関連性、日付・金額・取引先での検索などの要件)
  2. その年の電子取引データ(メールで受け取った請求書など)の保存について、同法8条5項の財務省令で定める要件を満たすための措置を講じ、実際にその要件に従って保存している場合

2つ目の細かい条件は財務省令で定められます。どちらの場合も、使っている会計ソフトが要件に対応しているかどうかが実務上の分かれ目になります。

簡易簿記で収入が多い方は、10万円も受けられなくなる

もう1つの変更が、10万円の控除の対象の絞り込みです。改正後の第2項により、その年に事業所得を生ずべき事業を営む方で、前々年分の事業所得の総収入金額が1,000万円を超える方は、65万円の控除を受ける場合を除いて、10万円の控除を受けられません。不動産所得も同じで、前々年分の不動産所得の総収入金額で判定します。

つまり、売上1,000万円を超える規模で、簡易簿記のまま青色申告をしている方は、令和9年分から青色申告特別控除がゼロになります。複式簿記に切り替えてe-Taxで申告するかどうかを、令和9年が始まる前に決めておく必要があります。

いつまでに何を決めるか

  1. 令和9年1月からの記帳を、複式簿記でできる会計ソフトに切り替えるか確認する。簡易簿記のままなら控除は10万円(収入によってはゼロ)
  2. 令和9年分の申告(2028年3月15日が期限)を、期限内にe-Taxで出す準備をする。マイナンバーカードと読み取りに使うスマホなど
  3. 75万円を狙うなら、会計ソフトが優良な電子帳簿の要件に対応しているか、電子取引データの保存要件への対応が必要かを確かめる
  4. 令和8年分の申告は従来どおり。ただし、ここでe-Taxに慣れておけば翌年の切り替えが楽になる

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65万円・75万円の控除には、複式簿記で記帳でき、e-Taxで申告できる会計ソフトが前提になります。個人事業主向けのクラウド会計ソフトには、たとえば弥生のやよいの青色申告オンラインや、マネーフォワード クラウド確定申告があります。75万円の要件(優良な電子帳簿など)への対応状況は、財務省令の公表後に各社の案内で確認してください。

メールで受け取った請求書を紙に印刷して保存している場合、そもそも電子帳簿保存法の電子取引データの保存義務を満たしていません(メールで届いた請求書は、印刷して紙で保存してはいけない)。75万円の2つ目の条件とも関わるので、あわせて見直してください。

出典

本文の法令・資料は、次の一次情報を確認しています。

この記事は制度の一般的な説明であり、個別の申告の判断を行うものではありません。財務省令で定められる細かい要件は、国税庁から公表される案内をご確認ください。自分の取り扱いについては、必ず顧問税理士または所轄の税務署にご確認ください。税額の例は、控除額の差に税率を掛けた概算です。

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